高齢者施設で働くということ

仕事のことをメインに、日常生活でおやおや?と思ったことや、どうでもよいことなど、約1億2600人のうちの一人のつぶやき。

ひたすら、捌く(さばく)


特別養護老人ホームは、一般的に多忙だということは知っていた。では、なぜ私が特養を就職先に選んだのか。理由は、介護の基本を学ばせたいただきたいという下心からだ。〇年は、働きたいと考えている。

だが、私が働く施設は、施設側も公認なほど忙しく、介護の基本を学ぶもなにも、ただただひたすらに、“さばいている”感が否めない。まあ、慣れれば少しは変わるだろうと思っているが、はてさて、私はこんなんで満足いくのだろうか。自分に問うているこの頃だ。


トランス


ご利用者をベッドから車椅子へ移乗する介助、ご利用者を車椅子からベッドへ移乗する介助、これを業界用語でトランスと言う。

このトランスを先輩職員はヒョイヒョイと行う。あまりにもヒョイヒョイ、と介助するので簡単そうに見える。だが、トランスには多くの危険が潜んでいる。車椅子を使用されているということは、下肢に麻痺などの障害があるということである。車椅子⇔ベッドのトランスにおいて、動かない下肢が取り残されてねじれたり、絡んだりる恐れがある。つまり、介助者が何も考えずにトランスをした場合、怪我や骨折につながるのだ。下肢だけではない、上肢も巻き込む恐れがある。また、介助者がバランスを崩せば、一緒に倒れこむなどの一大事になる。非常に危険な介助の一つだ。

さらに、このトランスは介助者の腰に大きな負担となる。そのため、ボディメカニズムという力学的原理を活用した介護技術を必要とする。
例えば、
・てこの原理を応用する
・対象者にできるだけ近づく
・介助者の両足を広げて膝を曲げ、腰を落とす(重心を下げる)
・腕で持ち上げるのではなく、膝の屈伸を利用する
・体をねじらず、水平移動させる
などが挙げられる。

リスクを考慮しながら、ボディメカニズムを使い、トランスを行う。頭では解かっているが、いざやってみると難しい。また、利用者様は障害の程度、麻痺の部位、特徴、など一人ひとり違うため、個別性に合わせたトランス介助を行う必要がある。ヒョイヒョイやっているように見えるが、実は大変なことなのだ。

裃(かみしも)

男性のYシャツの下(アンダーシャツ)は、着ないのが正しい着方だとか。汗っかきで、寒がりの私にはチト残酷な話だ。良かった女性で。

男性も夏場だけは、ズボンから足首が見えても許されるようになれば良いのにねぇと思う。

足首といえば、今年流行りのワイドパンツを買った。ガボガボしているから空気が入って涼しい。それに、脱ぎ着が素早くできて良い。なんといっても、職場のロッカールームはエアコンが効いていないので、着替え時の不快指数が半端ない。帰りにジーンズ履くにも汗で引っ掛かってしまい、片足が上がったままオットットット、と倒れそうになる。だからこの手のパンツはナイス!である。

ただ・・・・、私が履くと裃みたいになってしまうのがなんとも・・・・。

 

魔物が出たぞい


同期生が就職した施設では、既に夜勤を経験している者、今月から入る者、まだ入っていない者などまちまちだ。私たち新人は未だ入っていない。夜の勤務時間も8時間、16時間、と施設によって異なる。

先輩職員によれば、夜勤は利用者様のトイレ誘導や、離床・臥床、食事介助がない分、体力的に楽だと聞く。ユーチューブで音楽を流しながら待機しているとか、お菓子を広げてデスクワークしているとか、各々で眠くならないような工夫をしているようだ。入職後は体重が激減したが、夜勤が始まってから逆に太ったという話も聞く。「夜勤手当も付くし、私は夜勤だけやりたい」なんて先輩もいる。あはは

とはいえ、入眠中の呼吸状態の確認や、オムツ交換、内部資料の黙読など、やることは多い。夜間帯に多いベッドからの転落、フラリと廊下を出歩いて転倒、なんてこもよくあり、決して油断のならない勤務だ。また、夜勤は職員の体内リズムが崩れる原因にもなる。

そして何より私が恐れているのは、夜勤明けの超過勤務だ。私と同じフロアの先輩がたは、当たり前のように1時間2時間は残務をしており、3時間残務もザラに見る。つい先日は4時間経っても何かやっていて驚愕した。いざ、私が夜勤をしたらいったい何時に退勤できるのだろうか。恐ろしや~、ムンクになっちゃう。

観察していると、残務には記録作業も含まれている。本来は退勤定時時間の1時間前に記録を開始するらしいのだが、なんやかんやで30分前開始が実際のようだ。こっちに書いた内容と同じことを別のファイルにも書いて、って・・・。ほうら!魔物が出たぞい

この魔物が棲みついている限り、介護職員の負担は大きいままだ。介護現場は、この点も変える必要があると私は心底思う。

 

全身倦怠感、疲れがとれない


あまりにも、全身がだるくて鉛のように重く、スッキリしないため、『全身倦怠感 重い 取れない』で検索した結果、厚労省のサイト(転載自由)がひっかかった。

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疲労、全身倦怠感~体がだるい、重い、疲れがとれない~
体がだるくなったり、疲れが取れないのはどうしてですか
長時間の運動や仕事を続けると、誰でも疲れが出てきます。こうした疲労は末梢疲労と中枢性疲労に大きく分類することができます。末梢疲労とは、運動を続けたときに起りやすい筋肉などの疲れで、中枢性疲労は脳が疲れを感じている状態です。
この中枢性疲労では、長時間の考え事や精神的な緊張状態が続いたときに、脳の調整能力が十分に働かなくなって疲労を感じるようになります。その他、食生活の乱れや不規則な生活、運動不足が疲労の原因になっていることもあるでしょう。
そんなとき、十分な休息や睡眠をとることで疲労を回復できる場合は、生理的な疲労であり、病的な疲労とは言えません。しかし、十分な休息をとっても疲労が回復しない、全身のだるさや倦怠感が長く続くときは、その背景に何らかの病気があるかもしれません。

こころの病気の中には身体症状を伴うものが決して少なくはありませんが、身体症状が長く続く場合には、まずは身体疾患の面から受診するのがよいでしょう。疲労や全身の倦怠感が出てくる場合の主な身体疾患として、高血圧や貧血、糖尿病、悪性腫瘍など様々なものがあります。
一般的に、疲れがとれない場合は内科を受診することが多いでしょう。内科では、血液検査や胃の検査など、身体疾患についての検査を行います。そこで、とく に異常がみられない場合に、精神科や心療内科を紹介されることもあるでしょう。その結果、うつ病だと診断されることもあります。
こうしたことは、遠回りをしているように見えるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。逆に、うつ病の治療をしていて、たまたま体の検査をしたら、うつ病の背景に糖尿病があることがわかったということもあります。
ですから、身体症状について、体の病気の検査を行うのは患者さんにとってもメリットがあることなのです。
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たしかに、長時間運動しているようなものだし、長時間常に緊張状態だし・・・。

視点を変えると見える


私の前世は、マンゴーだったのではないかと思うぐらい、マンゴーが好きである。過日、スーパーでフィリピンマンゴーが1つ98円と安かったので飛びついた。

その日、買い物カゴ(A)に入れた物は、
  マンゴー 6個
  キウイ  3個
  納豆   1パック
  菓子(小)1袋
である。

いざ、レジへ。
案の定、レジの人はAの買い物カゴから納豆を手に取り、ピッと機械に通して隣の空きBカゴへ移した。次に菓子を手に取り、ピッとやってBに移した。そして、キウイを1つ手に取り、ピッとやって機械に個数を入力した後、残りを1つずつBカゴへ移した。更に、マンゴーも同じ手順で隣のBカゴへ1つずつ移した。

つまり、全てのキウイと、私の大切なマンゴーの全てに、そのレジの人の指跡が残ったわけである。それも5本指の。

私はいつも思う。買い物カゴの中身によっては、隣の空きカゴに移さずとも、レジを済ませられる場合もあるのではないかと。今回の例でいけば、納豆ピッ、菓子ピッ、キウイ1個ピッ(そして機械で×3)、マンゴー1個ピッ(そして機械で×6)とやれば、同じ買い物カゴ内で完結できる。そのほうが早いし、デリケートな果物に触れる回数も最小限で抑えられる。

顧客側の立場として、こうすれば良いのにと見える事がある。

 

女性の弱点 ヒソヒソ話


自分の口の中に、人から指を入れられるのが不快だと思うご利用者は多い。そのため、口腔ケアをさせていただく側としては、あれやこれやと考える。どのようにしたら、口を開けていただけるかな、と。

ご利用者のAさんは、特に口腔ケアを嫌がる。入れ歯を外させてくれるまで時間がかかる。そんなときは、時間を空けてから再び挑戦する。

ある日、私はAさん(女性)の耳元でヒソヒソと囁いてみた。「Aさん、Aさん」と。すると、え?なに?どうしたの?といった、Aさんの興味が私の囁きに集中してくるのが分かる。ふふふ、女性って、ヒソヒソ話が好きって言うもんね。このときの私は、してやったりな気分だ。えへへ

そして、「Aさん、今のうちに入れ歯を外して洗いましょう。ね、ね、早く早く。早くしないと、職員のHさんにみつかったら大変ですよ。さあさあ、今のうちに」なんて具合で、職員Hさんを山車に使う私。すると、そうだねといった感じで、Aさんの口に指を入れさせてくれる。ここで、上手く入れ歯を外せずにもたついていると、Aさんの気が変わって、「やだよぉ」と拒否られるから大変だ。

しかし、この作戦が使えない日もある。介護の仕事って、奥が深いわねぇ。


仕事を休むということは


ある日の更衣室。
1階A介護職員「ねぇねぇ、3階のGさん、今日から復帰だって?」
3階B介護職員「そうなのー」
1階A介護職員「心の病気は、目に見えないからねぇ」
その口調から、あまり好意ある会話に聞こえなかった。

ある日のスタッフルーム。
1階A介護職員「Wさん、入院したんだって」
他職種P職員 「顔色悪かったもんねー」
1階A介護職員「〇〇(←内臓の病気)だって」
他職種P職員 「Wさん向いてないんじゃない、この仕事。夜勤あるしさ。」
Wさんは職歴3年目の、他の階の介護職員である。

ある日の食堂で。
1階A介護職員「Lさん、また体の不調を訴えてるんだって?」
2階E介護職員「うん」
1階A介護職員「この前は蕁麻疹で休んだよね。今度はどんな理由かね?へっへっへっ」

1階A介護職員は、私と同じ階にいる職歴4年目の、仕事をそつなくこなす先輩だ。私はいつも叱られている。それはさておき、そうか、この業界は、仕事を休む人は烙印を押されるのねと思った。

この仕事はキツイし、不規則だもんねー、病気を誘発しやすいよねー、的な擁護が同じ職種同士であるのかと想像していたが、現実は違った。

たしかに、ギリギリの少ない人員でシフトを組んでいるため、誰かが休むと他の階の職員に大きな負担となって圧し掛かる。休むことで誰かに迷惑がかかるのは会社員でも同じだが、それとは異質のものがある。まさに、体調管理は仕事のひとつだと実感した。だが、それでも体調を崩すときはあるよなーと思う。

そして休んだら、迷惑かけましたとして菓子折りを各階に持参する文化があって驚いた。なんか違くね? もしや、他の施設もそうなのかしら。くわばら、くわばら。

仕事をしてもプレッシャー、休んでもプレッシャー。(ふふふ、なんか、一句できそうだなこりゃ)


マネーモンスターと、英EU離脱


買い物をしたり、美味しいものを食べたり、映画を観たりして、リフレッシュしたはずだが、疲れが取れない。

映画は、『マネーモンスター』を観た。面白かった。そして、映画の内容とは関係ないが、私は唇フェチということもあって、ジュリアロバーツにほっこりし通した。

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こういうのを観ると、今回の英EU離脱による株価の変動に考えさせられるものがある。

 

万歳三唱


同期生4人で飲み会があり、それぞれ就職先の情報交換をした。その結果、どの施設も一長一短があることを知った。そして、介護職員の職務内容は、私が勤務している施設がいちばん過密で過酷で責任大だった。やはり。

今さら言っても仕方のないことと分かっているが、あまりにも忙しくて笑ってしまう。
出勤してから退勤するまで、常に時間に追われ、危険と隣り合わせ。お昼休みは実質20分前後で、水分補給もままならない。今は、まだ技術が未熟だし、慣れていないし、自分にも時間にも余裕がないことは自覚している。だが、ずっとこの状態が続くと、いつか自分が壊れるぞと思う。何とか打破したい。

そんなときは、自分にご褒美よ! いいなと思ったバッグが、1週間前には20%引きだった。でも、欲しい色が無かったので買うのを諦めた。
そして、この1週間の間にストレスが高まったため、えーい!自分にご褒美よ!!と思い、そのバッグを買うことにした。そうしたら、SALEで40%引きになっていて、心の中で万歳三唱した。欲しい色ではなかったが、いま見ると愛着が湧いてきた。うふふのふ。